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MA Design Management: Ms Maho Irie



留学レベル:

Postgraduate(修士課程)

カレッジ:

London College of Communication(LCC)

​コース:

MA Design Management

​留学期間:

2023年10月~


もともとはプロのダンサーを目指していたIrieさん。カナダへの高校留学、大学での学びや就職を経て、London College of CommunicationのMA Design Management コースに入学されました。大学院留学を志したきっかけやUALを選んだ理由、留学中に関わった国際機関とのプロジェクトなどについてお話を伺いました。



留学準備、渡航までについて


Q. 英国留学を決心したきっかけ、ロンドン芸術大学(UAL)を選んだ理由を教えてください。

幼い頃から表現することが大好きで、プロのダンサーになることが夢でしたが、もっと広い世界が見たいと思い、16歳でカナダの高校に留学しました。その後、大学でクリエイティブ産業やビジネスを学ぶなかで、パフォーマーだけでなく、舞台裏で働く人々の重要性に気づきました。


大学卒業後は音楽レーベルでインターンシップを経験したり、ダンススタジオで働いたりしましたが、ビジネスとクリエイティブの両面性が今後どの業界においても必要になると感じ始めました。そんな折、ロンドン芸術大学(UAL)のMA Design Managementコースを見つけ、私の求めている創造性と論理性のバランスを学ぶ環境にぴったりだと思いました。



Q. ロンドン芸術大学日本出願事務局(beo)のサポートを受けて良かったことがあれば、ぜひお聞かせください。

ビザ申請の際に、beoからサポートを受けました。以前暮らしていたカナダに比べて、イギリスはビザ取得のプロセスが複雑で、留学経験が長い私でも苦労したので、beoのビザ申請や留学保険のサポートサービスはとても助かりました。


また、ロンドンに渡航する前の夏にbeoが開催した、UAL合格者向け交流イベントにも参加しました。このイベントのおかげで、他学部の学生ともつながりを持つことができ、渡英する前の安心材料となりました!



UALでの学びについて


Q. LCCのMA Design Managementはどのようなコースですか?

デザインマネジメント修士課程(MA Design Management)は、15か月(2024年度から12か月に変更予定)のプログラムで、デザイン思考がビジネスの課題や社会問題の解決にどのように役立つかということを学びます。


コースの最初の8か月ほどは、「Final Major Project (FMP)」 と呼ばれる卒業最終作品に向けて、人間中心設計やデザインリサーチの考え方を学びます。翌年の5月になると、自分の決めた社会問題のテーマについてどのようなデザインソリューション(コミュニケーションデザイン、ブランディング、写真、UI/UX、ゲーミフィケーションなど)を起こせるか、リサーチ全体の提案書を提出し、本格的に最終作品の制作が始まります。何かひとつのアウトプットを生み出すわけではなく、「自分が興味を持っている社会問題を解決に導くための最適なデザインソリューションをリサーチを通して生み出す」ということ自体が最終作品のゴールであり、そこがこのプログラムの面白いところでも難しいところでもあると感じています。最終的に、11月末から12月上旬にある卒業制作展にて論文とデザインアウトプットを発表し、評価を受け、卒業という流れになります。


私は卒業作品のトピックとして、日本国内における外国人に対する防災コミュニケーションデザインについて研究しています。地震を多く体験してきた日本人であり、また海外経験が長い自分だからこそできる研究課題だと思っていますし、多くの人を助けられる最初の一歩になれたらと思っています。



Q. コース在籍中に関わったプロジェクトで印象に残っているものはありますか?

国連教育科学文化機関(UNESCO)が中心となって推し進めている「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」(いわゆる「海洋の10年」)に関わる機会がありました。この活動が掲げる目標のひとつである「Challenge 10: Restore society’s relationship with the ocean(目標10:リテラシーの向上と人類の行動変容)」のコンペにクラスメイトともに参加し、「メンタルヘルス」と「海の健康」を掛け合わせたデジタルコミュニケーションデザイン・戦略を提案しました。見事、自分のチームのプロジェクトがUNESCOによって優秀賞に選ばれました。


UALのウェブサイトで公開されているので、よければご覧ください!このような国際機関と実際にプロジェクトができたということは、UALならではのことだと思いますし、留学生活の中でも特に印象深い経験となりました。


コンペに参加したクラスメイトたちと LCCにて優秀作品として展示されました



留学生活について


Q. 1週間のスケジュールを教えていただけますか?

各学期で授業スケジュールは異なります。第1学期(10~12月)は週3回、それぞれ3時間から6時間の長めの授業がありました。第2学期(1~3月)は週2回に減りましたが、代わりにグループワークが増え、自主的な活動時間が多くなりました。第3学期は卒業作品の制作が始まり、スーパーバイザーとの1対1の時間が増えました。授業は少なくなり、自分で論文の準備を進めながらディレクションを相談する形式です。授業がない日はキャンパスの施設を利用したり、ワークショップに参加したりしています。充実した設備でさまざまな試行錯誤ができ、新しいスキルを学べるのは、UALならではの魅力だと感じています。

 


Q. クラスメイトはどのような方たちですか?

クラスメイトはインターナショナルなバックグラウンドを持つだけでなく、職歴や学歴も非常に多様です。ファッションデザイナー、エンジニア、IT専門家、グラフィックデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、さまざまな分野から集まっています。それぞれが異なる経験を持ち寄り、自分の興味のある分野でクリエイティビティとデザイン思考をどのように活かせるかを探求しています。皆、自分の強みと弱みに向き合いながら研究を進めている印象です。この多様性がお互いの刺激になっていて、異なるバックグラウンドを持つ仲間とともに学ぶことで、デザインマネジメントの幅広い可能性を実感できているように感じます。


クラスメイトの誕生会を学校近くのパブにて開催



Q. 特に思い出に残っている課外活動やイベントはありますか?

留学中、さまざまな機会がありましたが、特に印象的だったのは4月にあったデザインミュージアム訪問です。このイベントには、オランダのHKUユトレヒト芸術大学の修士課程の学生も参加しており、お互いのプログラムや研究テーマについて意見交換ができました。異なる背景や国で勉強している学生たちでしたが、学んでいること、興味があることは似ているところがあり、彼らとのディスカッションはとても刺激的な経験でした。


オランダの学生と自分のクラスメイトとデザインミュージアムの前にて



振り返って思うこと


Q. UALに留学して得たこと、良かったことがあれば教えていただけますか?

UALでは、自分のなかのデザインの概念が再定義され、アートや絵画だけでなく、都市、政策、アプリ、日用品までこの世にあるすべてのものがデザインであることを学びました。デザインやクリエイティビティは、天性の才能がある人のものだと思っていましたが、こうして再定義することで視野が広がり、クリエイティブコミュニティに自分の居場所もあるのではないかと考えるようになりました。



Q. 留学中に培った知識やスキル、経験は、将来の目標やキャリア形成にどのように役立つと思いますか?

デザインマネジメント修士課程プログラムでは、自分のルーツや影響を受けてきたものを振り返り、それがどのように自分の考えや生み出すものに影響をしているか、ということを考える練習を日々行いました。自分の強み、好きなこと、提供できる独自の価値について深く考え、理解する時間がたくさんありました。「修士課程が終わる今年の12月には、日本に9年ぶりに戻る」という結論も、自分のやりたいことを振り返る時間があったからこそ出せたものだと思っています。


子供の頃のダンサーになるという夢や憧れが、今の私につながっていると思うと感慨深いものがあります。ロンドンでの学びと生活を通じて、クリエイティブ産業でのキャリアの可能性が広がり、柔軟性の重要さを学びました。UALでの経験は単なる学習だけでなく、自己発見の旅でもあったと実感しています。この成長がこれからキャリアを築いていくうえでも基盤になっていくと良いなと思っています。



 

終わりに


QS世界大学ランキング(アート&デザイン部門)第2位のロンドン芸術大学(UAL)は、「beo大学・大学院留学フェア 2024秋」に参加します。UALから担当官が来日し、皆さまのご相談にアドバイスをしますので、UALへの留学をお考えの方は奮ってご参加ください!






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