留学レベル: Pre-degree(ファウンデーションコース) |
カレッジ: Central Saint Martins |
コース: Foundation Diploma in Art and Design (Diagnostic Mode) |
留学期間: 2022年9月~ |
イギリスにある高校に通った後、ロンドン芸術大学のファウンデーションコースに進学されたSagayamaさんより留学生活のお話を伺いました。日本の生徒さんからも人気のFashion & Textile Pathwayでの授業の様子についても詳しく教えていただいています。
留学準備について
Q. 英国留学を決心した理由やきっかけを教えてください。
元々、父親に海外経験があったため海外で勉強することに興味が湧きました。高校卒業後、日本の大学に進学することも考えましたが、英語を使って勉強するほうが自分のスキル向上に役立つと思い、イギリスで大学を探し始めました。日本とは出願のプロセスや大学のシステムが違うこともあって不安が大きかったですが、色々なことを吸収するにはとてもいい環境だと思います。また、美術館や博物館に行きやすいのもイギリス留学を決めた理由の一つです。基本的に無料で展示しているところが多いので、ふらっと立ち寄れるところが気に入っています。
Q. どのように出願書類(特にポートフォリオ)をご準備されましたか?
Orientation to Art and DesignというUALのショートコースに通って準備をしたのですが、このコースは3か月という短いスパンで様々な課題をこなします。Life drawing、Collage、Jewelry design、Fashion drawing、Drawing machine project、String project等、 グループワークから個人作業まで様々なことを行い、イギリスのアート感覚やプロセスを知ることが出来ました。ファウンデーション向けのポートフォリオはそこでの作品をまとめたのですが、それに加えて、日本で個人的に進めていたプロジェクトも提出しました。
学部進学用のポートフォリオは、ファウンデーションコースで作成したプロジェクト3つをまとめました。デジタルポートフォリオでの提出が必要だったのですが、スケッチブックをビデオで撮影したものを1ページ分として提出している学生もいました。私はファッションデザインのウィメンズコースに行きたかったのでドローイングを意識して加え、グラフィックデザインをやっている友達にアドバイスをもらい、見やすい形になるように心がけました。
Q.なぜロンドン芸術大学(UAL)を選びましたか?
元々高校がイギリスだったこともあり、大学は必然とイギリス国内か日本を意識していました。ロンドンのキングスクロスにあるセントラル・セント・マーチンズ(CSM)のショートコースに通った際、キャンパスのカッコよさや図書館の居心地の良さに惹かれました。学部に出願する際には、ほかの大学も視野に入れていましたが、セントラルロンドンから少し遠かったり、イギリス国外だったりした為、結局出願はしませんでした。
ロンドン芸術大学コースについて
Q. CSMのFoundation Diploma in Art and Designはどんなこと学ぶコースですか?
ファウンデーションコースはPart1~3に分かれていてで、Part1ではダイアグノスティック(診断型モード)とスペシャリストでクラスが分かれています。アセスメント(課題)は各Partごとにあり、その学期中に行ったことをworkflowというサイトにアップします。主にResearch(本や映画、展示、友人との会話などを基にリサーチをしたことについてまとめる)、Reflection(授業についての振り返り、反省など)、Sketchbook(大学でのプロジェクトの過程)、Outcome(最終成果物)の4項目に分け提出します。
ダイアグノスティックは1タームのうちにジュエリー、4D、イラスト、スカルプチャー、グラフィックデザイン、建築、ファッション&テキスタイル(FT)、ファッションコミュニケーションなど、短いスパンでプロジェクトをこなしていきます。そこでの体験をもとにPart2〜3で受けたいクラスの希望を出します。私は一番人気のファッション&テキスタイル に進みましたが、私含めほとんどの学生が希望のクラスに進めていたと思います。ファウンデーションコースの校舎はアーチウェイにあり、キングスクロスにあるメインの建物に比べたら小さいですが、様々なワークショップを利用することも出来たので面白かったです。ワークショップがないとできないようなことも挑戦でき、無料で利用できて良かったです。
Q. 一週間のスケジュールを教えていただけますか?
対面授業は月曜、火曜、木曜の9:30-16:30で、 水曜は基本オンライン授業でした。
授業とは別で週に一度16:30ー18:00に希望者だけの英語のレッスンがありました。学部に進学する際に、既定の英語条件(IELTS)に達していない場合、UAL内の進学テストかIELTSを受けなくてはいけないので、その対策用の授業でした。
Q. チューターはどんな方たちですか?
ファッション&テキスタイル(FT)のクラスは全部で4クラスあって、私のクラスは現役のデザイナーが1人(週2日)とUALのベテランのスタッフが1人(週1日)いました。 チュートリアルは各アセスメント前に設けられ、チューターにスケッチブックやサンプルを見せ、どのデザイナーや展示が参考になりそうか、図書館でどのような本をリサーチした方が良いかなどのアドバイスをもらいます。
Q. クラスメイトはどんな方たちですか?
基本的にクラスのほとんどがインターナショナル(イギリス国外からの留学生)だったと思います。ヨーロッパからは高校から進学してきた学生が多く、アジアからの留学生は自国で兵役を終えてからきている人や、1回就職してから来た人もいました。学部への入学を目標としていない学生もちらほらいたので目的は人それぞれ違っていました。
ロンドンでの生活について
ガス代が高いので冬でもフラットのヒーターを使わずに済むよう、友人と集まり、24時間オープンの図書館で遅くまで作業をしていました。また、外食でも1回で結構な金額になってしまうので、お昼はお弁当を作って友人と分け合っていました。
1年間を終えて…
Q. Foundation Diploma in Art and Designで勉強して得たこと・良かったことを教えていただけますか?
ファッション&テキスタイルに入ってからは、服をデザインまでもっていくプロセスを学べたので良かったです。また、定期的にほかの学生の作品プロセスを見て、意見を交換できる機会があったので参考になりました。
ファッションだけでなく他の科目の学生とも関わり、手伝ってもらったり話を聞いてもらったりして影響を受けました。
Q. 「Fashion & Textile Pathway」コース中の課題や、学部進学に向けての審査のプロセスについて教えていただけますか?
ファッション&テキスタイルのコースでは、企業とコラボして行うプロジェクトや大学内のワークショップなど、いろいろなプロジェクトがあります。最終課題では自分で一からプロジェクトを考えて撮影まで行うことが出来たので楽しかったです。
基本的にポートフォリオはファウンデーション中のプロジェクトを何個かまとめました。それぞれのプロジェクトが短いスパンで行われていたため、ポートフォリオにする際は流れを考えながら配置し、足りないものがあれば足して完成させました。インタビューはポートフォリオ提出後、時間が経ってから通知が届きました。
Q. UALに適している人やタイプなどがもし思い浮かべば教えていただけますか?
UALの中でも特にCSMは、とにかくリサーチやプロジェクトの過程が好きな人に向いていると思います。また、ファッションだけでなく様々なことを学んでいる学生がいるので、そこから刺激を得ることが出来るのもCSMの良い点だと思います。
Q.ロンドン芸術大学日本出願事務局(beo)のサポートを受けて良かったことがあればぜひお聞かせください。
ポートフォリオ相談会や寮の案内、大学説明会など、定期的に現地のUALスタッフを交えて行っていたので役立ちました。分からないことが多かったので、実際に聞ける機会があったのはとても良かったです。
また、担当してくださった高橋さんも実際にUALに留学していた経験があり、相談に乗ってくださったのも助けになりました。
Q. 今後の展望、ご活動の予定などがあればぜひ教えてください。
今後はパフォーマンスデザインへ進学し、ファッションだけでなく空間や映像についても勉強し挑戦できればいいなと思っています。
Q. これからロンドン芸術大学に留学を考えている方へのアドバイスやメッセージをお願いします!
何事も経験だと思うので、もし迷っていたらとりあえずチャレンジしてみるといいと思います。
ロンドン芸術大学日本担当官よりメッセージ
Sagayamaさんは、当時通っていらっしゃった高校の美術の先生(実は私のUAL留学時のコースメイトでもある)よりご紹介いただき、それから着実に出願準備をされてきました。ファウンデーションコース修了後は、同じCSMのBA (Hons) Performance: Design and Practiceにご進学される予定です。これからどんな作品を作っていくのか陰ながら楽しみにしています!
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